雛人形の名前旗はいらない?名前札との違いと、初節句での選び方
執筆:Ray Woodmade のmama(8歳と4歳の姉妹の母・木製記念日雑貨ブランド Ray Woodmade をひとりで運営)
木製の名前札の制作・仕様に関する記述は、筆者が Ray Woodmade で実際に制作している経験に基づきます。名前旗の種類・価格帯・飾り方については、人形店や通販サイトの公開情報を調べてまとめた内容です。

初節句の準備を進めていると、雛人形とは別に「名前旗はいかがですか」と勧められることがあります。
「これ、本当に必要なのかな…?」
値段を見て手が止まった、という方は少なくないと思います。
調べてみると「名前札」という似たものも出てきて、どちらを選べばいいのか分かりにくい。
先に結論だけお伝えすると、名前旗も名前札も、初節句に必須のものではありません。
そのうえで、向いている家庭とそうでない家庭がはっきり分かれるアイテムでもあります。
木の名前札を作っている立場から、できるだけ公平に整理してみます。
まず結論:どちらも「必須」ではありません
名前旗も名前札も、古くから決まっている節句の必需品ではありません。
これは私の意見というより、売っている側であるお店自身がそう説明しています。
- 人形工房ふらここ … 「名前旗(命名旗)の購入は必須ではないものの」
- 人形屋ホンポ … 「必須ではありませんが、お祝い…」
- ミルポッシェ … 「古くから節句で使用されている品ではないため、必ずしも必要なものではありません」
売る側であるお店の解説でも、名前旗は「必須ではない」と案内されています。
そのうえで、多くのお店が「あると嬉しい理由」として挙げているのが次の3つでした。
- 誰のお祝いかが伝わる…写真に写ったときに、その子のための飾りだと分かる
- 飾りの完成度が上がる…雛人形の脇に添えると全体が締まる
- 記念として残る…名前と生年月日が入るので、後から見返せる
「必要か不要か」ではなく、この3つに価値を感じるかどうかで決めるのがいちばんすっきりします。
名前旗と名前札は何が違う?
呼び方が似ていて混乱しますが、いちばん大きな違いは サイズと形 です。
| 名前旗 | 名前札(木札・立札) | |
|---|---|---|
| 形 | 旗状。スタンドに掛けて飾る | 札状。スタンドに立てる |
| 大きさ | 大きめ。存在感がある | 小さめ。省スペース |
| よくある素材 | 布に刺繍したものが多い。木製もある | 木製が多い。アクリルなどもある |
| 価格の幅 | 数千円のものから、専門店では数万円のものまで | 千円台〜1万円ほどが中心 |
| 得意なこと | 華やかさ・写真映え | コンパクトさ・なじみやすさ |
「名前旗=布」「名前札=木」と説明されることもありますが、実際には木製の名前旗も、アクリルの名前札も普通に売られています。素材で線を引くより、大きさで考えたほうが実態に合います。
価格の幅がとても広いのも名前旗の特徴です。
通販では数千円のものが見つかる一方、人形専門店には数万円のものも並んでいます。
「名前旗は高い」と一括りにはできませんが、雛人形と同じお店で揃えると価格が上がりやすい傾向はあります。
名前旗が向いているのはこんな家庭
次のどれかに当てはまるなら、名前旗のほうが満足度が高いと思います。
- 段飾りや大きめの雛人形がある…飾りが大きいほど、旗のサイズが釣り合います
- 床の間や飾り棚など、飾るスペースがある…余白があると旗が映えます
- お祝いらしい華やかさを重視したい…刺繍の名前旗は存在感があります
- 祖父母が贈ってくれる…贈り物としての格を求められる場面では旗が選ばれやすいです
寿鳳人形の東芸も「七段飾りや、五月人形の鎧・着用兜など、大きな飾りとも合わせやすい」と説明していて、ここは名前旗の得意分野です。
小さな飾りに大きな旗を合わせると、旗のほうが主役に見えてしまうことがあります。
飾りのサイズと釣り合うかを先に考えるのがコツです。
名前札が向いているのはこんな家庭
一方、次に当てはまるなら名前札のほうが合います。
- コンパクトな雛人形(親王飾り・ケース飾りなど)を選んだ
- 飾る場所が棚の上や出窓など、限られている
- 収納するものをこれ以上増やしたくない
- 写真に名前を残したい…札は小さいので、子どもと一緒に画角に入れやすいです
- 子どものそばにも置きたい…雛人形の脇に限らず、置き場所を選びません
- 二人目・三人目にも用意したい…人形は共有でも、名前だけは一人ずつにできます

わが家も、小さめのお雛様を娘それぞれに1つずつ用意して、毎年ふたつ並べて飾っています。
飾りが小さいと、その脇に置くものも自然と小ぶりなものになります。
写真という観点でも、札の小ささは効いてきます。
雛人形と名前旗を並べて引きで撮れば、旗の大きさがそのまま華やかさになります。
ただ、子どもの表情を撮りたくて寄っていくと、大きな旗は画角からはみ出しやすい。
そうすると「子どもの写真」と「飾りの写真」が別々の1枚に分かれてしまいます。
その点、手のひらサイズの札は置き場所を選びません。
雛人形の脇だけでなく、子どものすぐそばに置いて一緒に撮れるので、「名前」と「その年の顔」を1枚に残しやすいです。
木の記念日雑貨を作って写真を撮っている側から見ると、ここは名前札のいちばん実用的な強みだと思っています。
わが工房でも、こうした「小さく飾りたい」方に向けてひな祭りの木製名前札を作っています。
木の名前札を作っている側から見た、選ぶときのポイント
ここは自分の本業なので、実際に作っていて気をつけている点をそのままお伝えします。
① 文字の線の細さ
筆記体や細い明朝体は、木で切り出すと文字のつなぎ目がとても弱くなります。
見た目の繊細さと強度は基本的にトレードオフで、木製レターバナーを作りはじめた頃から、この線の細さを決めるのに何度も試作をくり返してきました。
② 写真に写ったときの見え方
木の札は、実物より写真のほうが文字が細く淡く見えます。
手元で見て「ちょうどいい」と感じる濃さだと、写真では弱く写ることがあります。
私は手元の印象ではなく、写真に写ったときにどう出るかを基準に彫りの深さを決めています。
③ サイズ
大きすぎると飾りの主役を奪い、小さすぎると写真で埋もれます。
わが工房のひな祭り名前札は縦12.5cm×横11cmにしていて、コンパクトな雛人形の脇に置いても浮かない大きさを目安にしました。
④ 断面の仕上がり
レーザーで切り出すため、断面に多少の焦げや匂いが残ることがあります。
これは木を焼いて切っている以上どうしても出るもので、商品ページにも明記しています。手作りのものとして受け取っていただけたらうれしいです。
MDFの4mm厚で、スタンド付きです。
デザインは2種類から選べて、姉妹ぶんをまとめて作る方のために2枚・3枚のセットも用意しています。
どこで買える?価格の目安
売っている場所は大きく3つに分かれます。
| 買う場所 | 特徴 |
|---|---|
| 人形専門店 | 雛人形と同時に注文できる。格を重視するなら。価格帯は高め |
| 楽天・Amazon | 種類が多い。名前旗も名前札も揃う |
| minne・Creema などハンドメイド | デザインの自由度が高い。名入れ対応が多い |
木の名前札はハンドメイド系がいちばん選択肢が豊富です。
フォントや形、名入れの書式が作家ごとに違うので、「写真に写したときの雰囲気」で選ぶと失敗しにくいと思います。
わが工房のものもオンラインショップで扱っています。
名入れのある商品は制作に日数がかかることがあります。
納期はお店ごとに違うので、商品ページで確認して余裕をもって注文してください。
飾る場所と時期は「決まり」ではありません
最後に、よく聞かれる2つについて。
飾る場所
調べてみて意外だったのですが、お店によって案内が分かれています。
- ミルポッシェ・山田平安堂 … 人形に向かって右側
- 人形の松屋 … 雛人形の向かって左側
- 人形屋ホンポ … 「基本は向かって右側、または左側」
つまり厳密な正解はありません。
二人分あるなら左右に振り分ける飾り方も紹介されています。
飾りとのバランスと、写真に入れやすい位置で決めて大丈夫です。
飾る時期
雛人形と同じタイミングで出して、同じタイミングでしまうのが一般的です。
初節句のときだけでなく、毎年一緒に飾ってよいとするお店がほとんどでした。
まとめ:迷ったときの3つの分かれ道
| 考えること | 名前旗 | 名前札 |
|---|---|---|
| 雛人形は大きめ?小さめ? | 段飾り・大きめ | 親王飾り・ケース飾り |
| 飾る場所に余白はある? | 床の間・飾り棚がある | 棚の上・出窓など限られる |
| 何を優先したい? | 華やかさ・存在感 | 収納のしやすさ・写真の入れやすさ |
そして大前提として、どちらも買わないという選択も間違いではありません。
雛人形だけでも初節句は十分に成立します。
名前旗や名前札は、「その年、その子のお祝いだった」と後から分かるようにするための記録のようなものです。
そこに価値を感じたときに、飾りのサイズに合うほうを選べばいいと思います。
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Ray Woodmadeについて
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